手帳類とは

手帳類は、手で書かれたもののまとまり(=帳)で、人々の日常的実践のコレクションです。本来、誰にも見せるつもりじゃなかった手帳類たちは、メディアでもメッセージでもないという変わった特性を持っています。ですから手帳類を読むには(これまで人類が自然に対してそうしてきたように)見出すしかないのです。100%主体的な読書であり、読書の拡張です。

またこの特性上、手帳類はアーティストや作家が作ることはできません。意識や無意識が大きく関わっているため人工知能にも難しいでしょう。手に入れることしかできないのです。手帳や日記として書かれたものが書き手と離れることで書き手の人間関係から解き放たれます。プライバシーは無効化され、プライベートの持つ時間的/空間的制限が取り払われます。手帳類はこうして生まれます。

本来つながらないと得られなかった誰かの一連の思考や実践は、手帳類によって、あなたは自由に読むことができます。ここでいう自由とは二重の意味があります。すなわち好きな読み方で、好きなだけ、読めます。手帳類は独立した存在ですから、気を使う必要はありません。

手帳類をめぐる活動は、まだ始まったばかりです。新たな書き手、形式、効能が日々見出され発見されています。手帳類は2016年4月時点で500冊といまだ希少であるため、1冊1000円で買い取らせていただいています。手帳類は万葉集のように集まることでその真価を発揮するとコレクターは考えています。読者、提供者、研究者など……本プロジェクトではあなたのさまざまな形での参加をお待ちしております。

このコレクションが、誰かの励ましや奥深い体験となってくれることを願って。

お客様の感想

私は他人の手帳になんて全く興味がなかったのですが、数冊見せていただくと、それは噎せ返るような個性の洪水で、ついつい夢中で読んでしまう面白さがありました。

「一般人の手帳を買い取るという行為がもたらす社会的意義についての考察。」 ノラネコガール。様

手帳の中ではドラマは起きません。でも、だからこそ、「ひとが一人生きていると、こんなに個性が溢れるものなんだ」と思わされます。みんな同じように食べて寝て、たまに人に会う。でも、それだけで、”十冊十色”で面白いんです。

「手帳展」 アートギャラリー「ピカレスク」スタッフ 桑間千里様

不思議とネガティブというかゲスい気持ちをともなわず、ある意味「作品」としてすっと流して眺めていることができた。この気持ちの不思議さが見ていて一番印象に残ったことであるし、この展示の意義であるようにも感じる。

「2015年には紙の手帳をつけようと思った経緯」 hafuko様

わたしは血が沸騰しましたが、これを「多くの人が楽しめる芸術」としてお勧めするのは難しい。けど、そこがまたいい。正直、誰にも知らせず自分だけで楽しみたいと思ったほど。

2016年2月のツイートより 二宮ひかる様

書き手


一般人
デザイナー
芸術家
サラリーマン
スポーツ選手
ソフトウェア開発者
詩人
小学生
中学生
高校生
大学生
社会人
老人
就活生
フリーター
舞台女優
父親・母親
分類不能

手帳類プロジェクトでは、専門家からごくごく普通の人まで幅広く買い取っています。あなたは、誰の手帳類を読んでみたいだろうか。

形式


手帳
日記
雑記帳
各種ネタ帳
旅行記
交換日記
連絡帳
自由帳
学習ノート
就活ノート
イラスト集
デザイン案
闘病記
育児記録
小遣い帳
レシピ集
読書記録
未知の形式

最初は手帳(スケジュール帳)が中心でしたが、日記やメモ帳など様々なものを集めていくうちにコレクションが広がっていき、手帳類という枠組みが浮かび上がってきました。

もし、この一覧にない手帳類をお持ちのかたは、ぜひ買い取らせてください!

効能


気分転換
好奇心回復
読書力向上
想像力強化
文体発見
手帳術
話題探し
手帳開始の動機
三日坊主の打破
日常的実践の獲得
タイポグラフィー
人間観察
ゴシップ
社会学
教養
文化人類学
研究資料に
あなた自身の見出し

手帳類からは実に多様な見出しが生まれます。ここに挙げたものはものはごく一部の見出しにすぎません。

謝辞
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Shirado Masafumi