コンセプトを考えたり書いたりするのは大事だと言われています。しかし、自分はコンセプトの大事さが理解できず、コンセプトを安易に考えてしまうところがありました。ところが、参考文献を読んだときにコンセプトについてなるほど、と思うところがあり、勢いでまとめてみました。できるだけ応用の効く定義を目指しましたが、物作りを念頭に置いたため、少し狭義になっているかもしれません。
ここで言う「何か」とは、組織かもしれないし、芸術かもしれないし、商品かもしれない。そして、実現したいことがコンセプトである。
試す段階ならばコンセプトはなくても良い。むしろ、コンセプトを探り出す作業が必要な場合が多いだろう。大事なのは、最終的な成果を作り出す前にコンセプトがなくてはならない、ということだ。コンセプトの無い企画は実現してはいけない。
単純明快でないコンセプトはコンセプトではない。プロジェクトに参加する全員が、一度聞いたら頭に残るものでなければならない。誰か一人でも、分からない、と言ったのならば、そのコンセプトには問題があるかもしれない。
コンセプトを決定したら、あらゆる部品(大枠から細部まで)を使ってコンセプトを実現すること。見方を変えれば、あらゆる部分を作る際に、まず思い浮かべなければならない。コンセプトから遠ざかるように作ってはならない。どうしても遠ざけるように作りたくなってしまったのならば、コンセプトが間違っている可能性がある。
最初から最後までプロジェクトの中心であり続ける。コンセプトに問題や間違いがあった場合、ただちにコンセプトを見直さなければならない。コンセプトを修正したら、最初から作り直すこと。そのまま作るのは、中心の柱を壊したままビルを建設するようなものだ。
とにかく必要最低限であること。単純明快にするために。
コンセプトが説明できないのならば、十分に練れていない、と言うことになる。感覚のみで作るのなら、当てはまらないかもしれない。ただし、実現するもののイメージが共有できなかったときの言い訳は無くなる。
ゲームシナリオライターの仕事/前田 圭士 (同書の桝田省治氏のインタビューが、このページを書くきっかけになりました)