2013/12/28

・冬であり年末であり家はこたつであるので、半ば冬眠状態でありながら、制作と仕事を続けていました。もろもろが整ってようやく書けるのですが、秋ごろから『シルアードクエスト』のiOS版を作っています。開発はあらかた済んでいて9割以上できています。来年の早いうちにリリース予定です。iOS版の開発が落ち着いたタイミングで、シルクエの人々編も少しずつですが進めています。あとは、ミステリのADVを作りたい気持ちが強くて右往左往しています。来年はどちらか一つは作って出したいなと思います。ミステリADVを作るなら、物語が難題になりそうです。今のところシルクエの語り方が一番簡単だと感じています。

・好きなものの収集にいそしんで、好きな要素を書きためた結果、だいぶたまってきました。うまく組み合わせられれば、好きな要素づくしの構成ができる。しかし、「うまく組み合わせられれば」というのがポイントで、これがうまくできない。どれを軸にすればよいかも定まらないし、生産性のないパズルを始めては、できあがらないまま次のパズルに取り組むようなループ。

・それが発見できた次の課題です。すなわち、ネタの断片の整理と組み立て。ネタの抽象と応用も含まれます。そしてこれも今年気がついたことですが、どうも自分はじっくり考えることがへたくそらしい。考えるのが苦しくなって、つい、ネットや差し迫った仕事に逃げてしまう。いつまで経っても作るものの骨格ができないわけです。なかば奇跡に頼っている。良くない。

・納得がいかなくて、少しずつでも純粋に考える時間を確保することにしました。30分タイマーをセットして、その間は紙と鉛筆と思考だけを使える。ネットは禁止して、パソコンやスマートフォンのアラートも無視する。スポーツのトレーニングのように取り組む。1週間前から始めて、今のところ1日、1セットか2セット、つまり1時間が限度。集中力が持たない。毎日の仕事の時間をほとんど考えてすごす企画職はすごい! それでも続けていけば、自分のゲームに必要な成果は得られそうな予感がある。考えすぎなんかじゃなくて、考え足りなかった。もっとじっくり繰り返し愚直に丁寧に考える。やがて世界が立ち上がるだろう。

・前に筋(ストーリー)と型(モデル)をたくさん作れるようになろうとしたのを思い出した。いま思っていることとずいぶん似ている。ただ少しフィット感が違う。調べたら書いたのは2010年だった。

2013/12/10

・12月。年末です。自分もそろそろ今年を振り返ってみよう!

・今年は近年の中では動きが多かった気がします。まず(初めてのゲームらしい規模のゲームである)シルクエを出せたし、プライベートでも動き、出入りが多かったです。良い年だったと断言できます。ただ今年は運にも恵まれた感じがあって、特にシルクエは人に恵まれました。今後も同じようにやってもらうのは無理だよねというぐらいの強力なサポートをもらいました。そんな今年の充実がかえって来年に向けて心細さを感じさせたりもしますけど、たんたんと地味に地道にやっていければなと思います。あきらめの悪い人間なので、まだまだ作ってみたいし、新しい出会いにも期待しています(タフでゲームを遊ぶのも作るのも好きなお嫁さんがほしいなあ!)

・年齢は加算されていって、(楽観的なキャラクターでとおっている自分でも)不安もいっぱいありますが、普通程度の幸せレベルだし、生活レベルなので、発狂してもしょうがないと思ってます。健康に育ててもらったなとの実感も年々強くなるばかり。患っているといえば、せいぜい鼻炎と飛蚊症ぐらいです。虫歯がないのは珍しいぐらいだそうだし、総合的に見たら特に問題ありません。体力は落とさないように体は動かさないといけないなと思います。ストレッチのおかげか、最近はつらなくなりました。

・なかなか年末らしい閉じこもった日記が書けている。でもこの数年、文体っていうのか、自分の文章が自分になじめていない気持ち悪さがずっとつきまとっている。外に探しに行くしかないのでしょうね。どうにも乾燥してます。今は、心から好きな文も、心から好きな人も、心から好きな物語も、ない。

2013/12/03

・漫画やゲームを大量に摂取してみると、どうもこれは好きだけどこの方向だと(自分にとって)70点以上にはならないんじゃないか?という作品がある。これは好みの問題で、作品そのものが悪いというわけじゃないと思う。好きではあるが大好きではない。もし、同じ方向のものを作ろうとしたら大好きではないがゆえに、作るのが苦しくなってくるのではないだろうか。作るのにレベルアップが必要な技術が必要ならなおさら苦しいに違いない。これは産みの苦しみとは少し違う苦しみだと思う。言ってみれば必要のない苦しみだ。

・そんな苦しみを味わないためにも、もっと自分の好みを知っていかなければならない。たぶんセンスはないから、能動的に探して把握しなおさなければならない。幸いアタリはついているので、遊びなおしたり読み直したりすればいけそうです。基本的にはこれまでふれたものを中心に、隣接する新しいものを探す。しつこいけど、少し好きではいけなくてとても好きでなければならない。たとえばひとつの物語に10個詰め込めれたらそれだけで自己満足は確保できるようなとても好きな要素。それらの要素を100個見つけ出せたらその中から10個ぐらいを何とか結び付けていく。パズルのように悩むだろう。つじつま合わせ。これができたら何とかならないかなと思っています。桝田省治さんのゲームデザイン論に似ていると思います(ほとんどそのものかもしれない)。

・冬はこたつに入ってしまうので、手を動かす力が減ってしまう。冬眠をする動物がいるくらいの季節です。熊が木の実を集めるように自分も好きなものを集めたり貯えたりしながら春に備えていきます。ひとつ問題なのはゲームに関しては新しくて好きなものがほとんどないことです。