2018/03/26

・手帳類の本を書く話は半年前ぐらいからあったが遅々として執筆は進んでいなかった。断片が増えるばかりで完成できるイメージは5%もなかった。ところが2月後半に叱咤激励を受けたのもあってだろうか、向き合い始めた。

・それでも相変わらず完成イメージは5%前後をうろうろしていた。完成イメージというのは、自分の中に「完成できるな」というイメージがどれだけ持てるかというものだ。進捗とは関係がない。個人制作ゲームもずっと作れていなかったが、『ツキのないがいこつ』のときに初めて完成できるという感覚があった。そして何年も作れずにいたのが数週間で完成できた。アップルストアにはリジェクトを食らって出せなかったけどそれは別の話だ。

・手帳類本の話に戻ると、先週ぐらいから完成イメージが高まってきた。それはいったん出版社の人とのすり合わせは横に置いておき、自分が書きたいものを一旦書いてみる姿勢に転換したことによる。淡い期待があったのだけど、手取り足取り完成まで導いてくれる編集者はいない、ということに一旦自分の中で設定した。自分で書いてみるという設定にしたことにより、完成イメージが高まってきた。というか、完成するならこういう形にならざるを得ない、という形になっていくしかない。自分でゲームを作るのと同様、本だってそう簡単には書けないものであるはずだ。書けるのならもっと多くの人が書いているはずだからだ。

・だから、一旦売れるとか売れないとか、出版する水準だとか満たしてないだとかは置いておく。一通り目次を構想してある程度のボリュームを書いてみる。例えば200ページぐらいの文庫本ぐらいのボリュームはいるだろうから、10万字ちょっとを過不足なく書けなければならない。背伸びしすぎたら書けないだろうから、いま持っているものを出すのが中心になる。少しだけ先人の知識や先行事例は引くことになるだろう。構成は好きな本の真似をすることにした。どうせ手帳類を扱う本という時点でパクリとかはありえないのだから、そこは気楽でいい。文体のイメージもできてきた。各パートごとに違う文体のイメージになってしまうが、一通り書けることを大事にする。統一の必要があればあとで直せばいい。

・こんな姿勢を少しずつ作っていって完成イメージが高まってきた。もちろんここで出版社のかたの手が入れば一気に完成イメージが下がる可能性はある。それは運任せだ。

・そもそもそれ以前に今年の仕事が忙しいという問題がある。慣れない業務なのでしかたがないのだが、昨年の仕事と比較するとここまで1.5〜2倍ぐらいの時間手を動かして働いている。にも関わらず成果は昨年の半分にも満たない。素直に辛い。近年楽をしすぎたと言えなくもなく、たまにはこうやって働くのも良いものかもしれないが、本を書くという観点ではこまる。せっかく気力が高まっても、日々の仕事に追われているうちにだだ下がってしまうからだ。これは今後ずっと付きまとう課題だろう。休日にたまったやる気をどこかに退避して保存して、次の休日に取り出せればいいのに。プッシュしてポップできればいいのに。

・日曜日の深夜にこれを書いている。夕方、とうとう執筆ソフトである「Scrivener 3」をインストールして本を片手に手帳類本を構想してみたら、すこぶる快感だった。完成イメージが50%を越えた。もっと上に見積もっても良い。いい数値だ。しかし、明日からまた仕事であって、次の週末にやる気がどうなっていることやら。完成イメージも半減しかねない。『冒険者ギルド物語2』を引き合いに出すまでもなく、半減とは恐ろしいことだ。いくら貯めてもそこまでのすべての計算値が半分になることの酷さよ。そんな不安と予想をセーブする。