2009/12/31

『あぺぽぺ』はどんどん遡っていって、コンセプトについて考えるところまで戻った。コンセプトとは何かを考えて、それから『あぺぽぺ』のコンセプトを考えた。理解できるところまで限界に定義したコンセプトに照らし合わせて、コンセプトを決めた。それにあわせて、コンセプトを最小限に実現する、プログラムを組む、というところで今年は終わりそうです。

年末は2日ぐらいゆっくりして、コミックマーケットに初めて行きました。何かいろいろなものが、見えそうで、見えなくて、見ようとして、少しずつ見えてきている、そんな1年でした。それは、引越しをしたり、未来について決定したからかもしれません。いくつかの環境を変えて見ることで発見すること、動き出すことがある。来年は30歳になる年ですが、まだまだしっかり生きて、世界を見てみたいと思っています。今年一年もお疲れ様でした。来年もよろしくお願いします。暴れまくりましょう。

明日、目覚めたら、さっそく作り始めます。

2009/12/10

・『あぺぽぺ』は伝えることの難しさをとても感じている。また、自分の中にあった表現したいものというのは、これ程あいまいなところが多かったのか。体に占める水分の割合ぐらいにはあった。これで作れると思っていたのだから、笑ってしまう。だが、今まで少しずつ進んできたのであるなあ。そのあいまいな部分も一部壊された。もちろん、自分でそうしたくて、そうした。構造/構成に甘い部分があって、そのまま作っても、なんとなくそれっぽいものには仕上がるだろう。しかし、納得できるかな。できない。

・一方で、時間も限られている。そうやって初めて、「作りたい部分にフォーカスする」という、ひとつの物作りの知識/セオリーと向かい合う。最初からセオリーの道に沿うことはあまり上手ではない。いつも地図を見ずに歩き始める。しばらく歩いてみて、迷ったな、と思ったときに初めて地図を見る。地図は自分で書いたものしか持っていない。仕方が無いので、ひたすら歩き回って目的地にたどり着こうとする。そうすると、たまたま知っている大通りに出ることがある。今はそんな気持ちだ。絶対に表現したい部分を外さない。プログラム、ゲームシステム、世界観、シナリオ・・・あらゆるものを、そのはずしたくない部分に当てはめてみる。上手く当てはめられなかったら、一度壊してしまう。もちろん壊した中にもアイデアは含まれているから、少々惜しい。ぎこちない気分にもなる。しかし、そんな暗闇の道中でも、正しい形は必ずある、探し出してみせよう、と思って粘っていると、やがて形が見つかるものだ、と言うのがこの十日間ぐらいの体感だ。なんとか形になる。そうしてできあがったものは、以前のものより、美しい形をしている。

2009/11/30

・もう最後の月がせまっている。この日記をアップロードするころには変わっていそうだ。

・プロットを10人以上の人に見ていただいた。とても感謝しています。ほとんどの方に感想の返信もいただいて、さまざまなことが分かった。伝わった点と伝わっていない点があった。伝わっている中にも、過剰に伝わっている点もあった。過剰な点が全体の印象に影響を与えていた。もちろん、一人ひとりによって、どの点がどう伝わるかは異なる。しかし、明らかに書けていない部分や書きすぎている部分があった。特に、ゲーム内世界の独自の法則、言葉などについて、過小に説明している部分が多かった。また、同じぐらいに書いたと思っていても、理解のしやすさ、しにくさの違いにより、伝わり方に違いがあった。これらは違和感となってストレスになって、作品の質や価値を低下させる。

・要するに、プロットの段階で質が低かったのは明らかで、早期に判明してとても良かった。見せることにしたのは、自分には珍しく良い判断だった。早々とそう言ってしまえるぐらい、色んなことが分かった。たくさんの有効な助言には、何度も感謝します。してもしきれない、とは、まさにこのことだと思った。

・まずさを修正するにあたって、大幅に変える必要があった。どうやって手直ししようかと半日迷ったが、世界観をすべて捨て去るわけではないものの、最初から書き直したほうが早いと判断し、着手した。その際、設定に不備があったのを発見し(危ないところだった)、それを解決するのに1日かかった。それでようやく書き始められる。というのが、昨日の晩の出来事。頭の中で物語の風景を再生しながら、人物の姿や性格を再現し会話させながら、丁寧に表してみようと思っています。これで、物語はできあがる。そうするつもりで書く。絵や音の方が見ても同じ風景が思い浮かべられるような、明確で唯一の物語にする。

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Shirado Masafumi