2008/11/19

・六本木でリンダルイスのライブ。 なんて鳥なんだろうと思った。 前回は歌を焼き付けようと意識し過ぎたからか、 そんな風には思っていなかった。 小鳥のさえずりと評された歌声だけではない。 容姿、 しぐさ、 雰囲気など、 どれをとっても鳥っぽいのだ。 ここまで鳥を感じた人間は初めてだった。 ツルなどの足長でも、 すずめのような小さいのでも、 カラスでも、 トンビでもない。 インコやオウムは遠くないが、 少し違和感がある。 そのまま脳内を検索していたら、 オオルリが思い浮かんでこれだと思った。 もしオオルリが歌が下手だったらちょっと嫌だなと思って、 家に帰ってから調べてみたら日本三鳴鳥に入っていて一安心。 印象がつながった。

・会場は六本木のミッドタウン内にあるビルボードライブ東京。 ステージの後ろには高層ビルの夜景できれいでした。 ひとりで来るなよって思った。 リンダルイスを見に来ただけだったから面食らいました。 でも雰囲気があるのは良い。 会場についた瞬間、 チケットは自由席にも関わらず、 高級料理店みたいに丁寧にもてなされた。 8000円のチケットはそういう意味でもあったらしい。 彼女の歌代だけかと思ったし、 それでも妥当だと思った。 サポートメンバーもいる。

・案内してもらった席の選択肢が、 一番前の席の真ん中とその後ろであったので、 まよわず前の方を選択。 マイクがおいてある位置と1メートルも離れていないし、 隔てる柵などもない。 席に座ってカクテルをお願いした。 PHSと同じ「nine」。 どんなお客さんがいるのかなーと思ったらリンダルイスのファンというよりは、 たまたま来たか、 雰囲気を味わいたいって人が多いように見えた。 ライブがはじまって、 一番近い位置ゆえ、 ちょっとだけリンダルイスがかまってくれるかなと期待していたら、 『Reach For The Truth』のときに「顔」を30センチぐらいまで近づけて、それから私をじっと見て「you got to do」と聞こえるような言葉を言った。 その一瞬だけ70年代のCDジャケットの顔だった。一生忘れないと思う。 英語は分からなかったけど、 「お前はできる」「やるんだよ」って言ったに違いない。 急にでびっくりしたけど、 もちろん日本人らしく笑顔でおじぎをしておいた。

・その後もマイク向けてもらったりサービス満点。 嬉しいという以外にない。 他のお客さんがあまりにも反応が薄いのもあってか、 ひいきにしてもらった気がする。 彼女はもう50才は過ぎているし、 体型もトークもすごく大阪のおばちゃんっぽいのだけど、 それでも表情がくるくる変わってかわいらしい。 同じぐらいの年の日本人でもこのように感じれる人はいるのだろうか。 きちんと女性的にちゃめっ気を表現すると言えばよいのか。 年齢等に遠慮はないし、 似合う服で飾っているし、 ああ、 プロだなあって感心。 ちなみに服の生地にも鳥が刺繍されていた。 いわゆる確信犯ってやつなのかな。 自然体のようで、 でもプロとしての演技のようで、 どちらであってもすばらしい。

・演奏メンバーがまた良くてまいってしまう。 なんだろうこの集団は。 白髪にめがねでちょっと日本人っぽいジョンレノンなキーボード奏者。 山本キッドとオバマと杉本哲太と門倉投手が合体して生真面目さ加えたドラマー。 隣のギター(ベースかもしれない)は一人だけ若くて、 サスペンダーにネクタイにハットでイギリスジェントルマンを決めている。 最後は50歳ぐらいのこれまたオバマというかノッチなギター(ベースかもしれない形だけで言ってます)はウィンズにいてもおかしくない。 英語の説明なので間違っているかもだけど、 両ギターのようなものは親子と言っていた。 身長が外国人にしては低いなと思った以外は似ているとは思わなかった。 国籍が違う気もしたし、 若者の奏者の卵が見習いがてら参加しているのかなーと思っていた。 洗練された音楽に、 カントリーなメンバー構成の組み合わせがとてもバランス良く感じた。 外国人なんだけど外国人じゃない感じで、 良いパーティだなと思った。 無国籍というか、和が感じられた。とても肌に合う。 30年前だと確かに新しすぎるかもしれない。

・自分のレベルより格が上のものを見た気がして、 文章がまとまらない。 そういうものなのかな。 前のライブのときもそんな感じだった。

・自分もいつしかこのような調和を表現できるだろうか。

・6連休の1日目。 『あぺぽぺ』は緩めだけど予定通り作れた。 celeはメールの返信をしただけ。 1日は外出するとして、 残りの4日、 コントロールできると良いが…。 するとフィールドエディタが公開レベルになるはずだ。 需要は少ないツールであるけど、 コンスタントにリリースができるような自分マネジメント(ちょっと甘やかした用語に聞こえるが)としては悪くない。 このツールを使って『あぺぽぺ』が作りやすくなり、 『あぺぽぺ』で作ったプログラムが次の作品を助ける。 副産物を作りながら進むのは、 大作かつ多作の目標に合う。 わたしなりのやり方が現れてきた。

・以前はコンセプトと書いていたものを目標と呼ぶように変えてみた。 狙いが指標になった。 意味や強調ではなく評価基準になった。 実験だったものが、 定着/ルーチンになった。 このちょっとした言葉の変更が変化を表すし、 ま、 単に言葉の誤解である場合も多いが、 神経質なようで案外と重要である気がしている。 言葉は解釈一つでいかようにも取れる。 堅いようで表情は多彩だ。

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Shirado Masafumi