2009/12/10

・『あぺぽぺ』は伝えることの難しさをとても感じている。また、自分の中にあった表現したいものというのは、これ程あいまいなところが多かったのか。体に占める水分の割合ぐらいにはあった。これで作れると思っていたのだから、笑ってしまう。だが、今まで少しずつ進んできたのであるなあ。そのあいまいな部分も一部壊された。もちろん、自分でそうしたくて、そうした。構造/構成に甘い部分があって、そのまま作っても、なんとなくそれっぽいものには仕上がるだろう。しかし、納得できるかな。できない。

・一方で、時間も限られている。そうやって初めて、「作りたい部分にフォーカスする」という、ひとつの物作りの知識/セオリーと向かい合う。最初からセオリーの道に沿うことはあまり上手ではない。いつも地図を見ずに歩き始める。しばらく歩いてみて、迷ったな、と思ったときに初めて地図を見る。地図は自分で書いたものしか持っていない。仕方が無いので、ひたすら歩き回って目的地にたどり着こうとする。そうすると、たまたま知っている大通りに出ることがある。今はそんな気持ちだ。絶対に表現したい部分を外さない。プログラム、ゲームシステム、世界観、シナリオ・・・あらゆるものを、そのはずしたくない部分に当てはめてみる。上手く当てはめられなかったら、一度壊してしまう。もちろん壊した中にもアイデアは含まれているから、少々惜しい。ぎこちない気分にもなる。しかし、そんな暗闇の道中でも、正しい形は必ずある、探し出してみせよう、と思って粘っていると、やがて形が見つかるものだ、と言うのがこの十日間ぐらいの体感だ。なんとか形になる。そうしてできあがったものは、以前のものより、美しい形をしている。