2014/11/02

・1ヶ月以上も日記が空いている。ただし、Facebookにいくつか日記を書いているので、完全に日記を書かなかった訳ではない。それでも、Facebookとこの場所では書くものは違うから、書き漏れた、セーブしそこねたできごとや着想があるかもしれない。それは残念だ。いつか、形を変えて、よりよい閃光となって頭に浮かんできてほしい。

・手帳の展示を開催することになった。他人が使い終わった手帳コレクションの展示となる。先月、ギャラリーに住める話があった。家主が一ヶ月不在にするのが理由だ。これを借りたとき、ただ住むだけではもったないないと思った。そこに、別のギャラリストが仕事を募集している事態が加わった。この二つのできごとがあって、僕は展示の開催をすることにした。またとない機会だと思ったからだ。ただ、手帳プロジェクトはもっとゆっくりすすめるつもりだったから、頭数が足りない。急ピッチで手帳の(レンタルを含めた)入手を進めていき、なんとか20冊は確保できた。開催までにもう少し上積みがあるかもしれない。11月15日からスタートする予定。

・手帳展(プログラム的な意味で)割り込みがあったため、インタビューは6人目の書き起こしが終わったところで一時停止。応答が多すぎてこれ以上作業は増やせない感じです。地味にヤフオクの連絡も効いてきます。仕事が定時にあがれているおかげでなんとか持っています。今の出向先は働きやすくて本当に助かっています。みんな優しくてすごくいい会社です。

・調べる時間があったので、所属先のアーティストが「掘る」と呼ぶ行為を気がついたら始めていた。まだ浅く掘り始めたばかりだけれど、それでも、物語ゲームに新しい光が当てられた。『センスは知識からはじまる』という本が示すように、勉強するとそれだけ、新しいセンス、新しい着想、着眼点が得られるものだ。今まで知識を見下していたところがあったかもしれない。少なくてもおろそかにしていた。

・つまり、僕は、それまで偶然に得た知識や経験だけで作品を作ろうとしていた。それで作品が作れないとだめだと思っていた。それも真理だと思うが、それだけで作品をコンスタントに作れるほど、開発力がなかったのだと思う。開発力とは技術力や着想など、企画から完成までのすべてを含む言葉として使っている。正確には、シルクエの正統進化ゲームは作れても、おぼろげながら目指していた物語ゲームの開発力がなかった。『ツキのないがいこつ』は偶然にできたにすぎないし、あぺぽぺの制作は論外だった。僕はいよいよ自ら掘り進めた知識を導入し始める。34歳。人生の半分ぐらいが過ぎてのことになる。

・そういう訳で、今は文字と文章を中心に掘り進めている。僕が好きなゲームはすべからく文字や文章が大きな役割を果たしているからだ。タイポグラフィ、コンクリートポエトリー、インフォグラフィック、記号、これまでの小説やゲームなど見ている。まだ知識の獲得のしかたはうまくない。どこかにたどり着くために知識を獲得したり、歴史をたどったりしていかなければならない。まだどこか、さまようように知識に触れている。もし、物語ゲームの形がくっきり浮かんできたら声明を出して、いくつかの小さな作品を提出できるだろう。