2009/11/25

・『あぺぽぺ』は中心となるゲームパートと、ゲームパートを補足するシナリオパートから成る。それらを交互に繰り返して進む。そう定義できた。次に、世界や世界観を、自分以外の制作仲間に伝えることで共同制作を加速していきたいと思い、シナリオパートに着手した。前回の日記を書いてからは、シナリオの本を2冊、手元に置いて勉強しながら、シナリオの原型にあたるプロットをずっと作っていた。起承転結の体に合わせつつ、テーマや世界観やゲームシステムの説明を書く。必要なときに必要なだけ説明しなければならない。説明だが説明くささがなく自然な会話や物語でなくてはならない。シナリオは初めてなので、できるだけ基礎に忠実に、技術を身につけながら制作を進めて、三連休の最後の日、23日にできあがった。それから、友人知人にお願いして、どれだけ伝わるのか、どのように伝わるのかを、チェックしてもらっています。

・そんな作業の中、シナリオとは文章に関する特殊技術なのだな、と思った。起承転結を作れば良いだけかと思っていたが、これが案外と難しい。もちろん、どれかをおろそかにするならば、簡単なのであるが、伝えるものである以上、おろそかにはできない。文字だから、何かを書けば、文章にはなる。しかし、その文章がそのまま伝わるものではない、というのを、他人に見せることで、思い知っている。それはプログラムにとても似ていた。適切なコードを、適切な位置に書かなければならない。データと構造。いくつかの定石。技術とは再現するためにある。そんな技術というものの感覚を、私はプログラムを通して初めて肌で感じた。技術という感覚を知ったいま、シナリオも技術として身につけられるだろう。

・他人に見てもらう喜び。恐怖。感謝。それは、伝えようとしたものが、まるで違うものとして受け入れられることへの感覚。

・両親の誕生日をすっかり忘れていて、遅れてメールしたところ、私が励まされてしまった。母親の言葉は何よりも力になる。生きているし、育てられて、ここまできたのだと。続きを見せなければならない。義務ではない。意志だ。