2010/03/10

・『あぺぽぺ』。日記を更新しない間に、随分と進んだ。とは言っても、一合目。山を登り始めたところだ。それまでは、山の周囲をうろちょろしたり、装備を整えていたに過ぎなかった…ように見える。まだ低いが、それでも景色はなかなか良い。その間、少しコミュニケーションは荒れてしまったが、結果、それが私を山へと押し出したように思う。恥ずかしいから、いやその恥さえも快楽を与えることになりかねないから、その第一歩はあまり大げさにしないでおきたい。制作者が最初に取り掛かるところにようやく着手したぐらいなのだから。

・大体のゲームデザインができてくると、他人の質問に即座に答えられるという感覚があった。それまでは、歯切れが悪かったし、質問によって考えさせられたり、発見することが多かった。もちろん、それはそれで良いが、何事にも段階がある。こういったコミュニケーションにおける感覚においても、『あぺぽぺ』が次の段階へと駒を進めたのだと確認できる。不一致があれば、適切な段階に無い、と言えるのではないか。

・見栄えありきのゲームで無い限り、ゲームの開発当初の画面はユーザーにはバグか?と思えるほど、質素な画面である。ロジックだけならなおさらだ。私は、あまりロジックを仕事で担当しなかったので、こっそりと感動していた。がんばれば、専門学生時代にも作れたロジックだ。ここまでは。しかし、画面に現れるものがまったく同じでも、その裏に、強度が、柔軟性が、依存性が、拡張性が、要するに設計がまるで違うのである。動作を作っているのではない。世界を作っている。

・生活とは、まず生き延びるためのもの。次に、リズムをつくるためのもの。